「ZEH」とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、消費する年間のエネルギー量が0以下になる住宅のことです。国は「2020年までに新築戸建て住宅の半数でZEHを実現する」という目標をかかげ、補助金を交付するなど普及に努めています。
このZEHにおいて大切なキーワードが「断熱」・「省エネ」・「創エネ」です。まずは、高性能の断熱材や複層ガラスを使用し高気密・高断熱を実現することでエネルギーロスを最小限に抑えます。次にエネルギー量を「見える化」し、家電を自動制御するHEMSやLEDなどの照明器具によって消費エネルギーを削減。その上で、足りない分は太陽光発電でエネルギーを創ります。このように多くのハウスメーカーや工務店で取り組んでいる「ZEH」ですが、よりエネルギー効率を高めたり、快適性やデザイン性を追求したりするなど、各社が特徴ある商品を展開しています。
初期投資ゼロでスタート
特にエネルギー効率を追求しているのが、一条工務店の超ZEHモデル「iーシリーズZero」です。トイレなど生活スペースのほぼ100%を全館床暖房でカバーすることでエアコンなどの使用量を削減。標準の約1.7倍を誇る大容量太陽光発電システムを組み合わせ、全国平均の1.4倍のエネルギー削減率を実現し、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2015」大賞を受賞しました。この太陽光発電システムは新築完成後、売電した収入による後払いが可能で、初期投資ゼロではじめることができます。
美しい空気を実現し、健康寿命を延ばす住まい
エネルギー効率を高めた上で、特に「住み心地」に焦点を当てているのがセキスイハイムと積水ハウスです。ソーラー住宅建設棟数が5年連続ギネス世界記録に認定されているセキスイハイムでは全室空調システム「快適エアリー」を標準仕様とした未来基準の家「MIRAI ー Class」を展開。高性能3層フィルターで汚れを取り除いた美しい空気を、熱交換型換気方式でエネルギーロスを抑えながら住宅内に循環させ、一年を通してさわやかで心地よい温度を保つことができます。
一方で、積水ハウスのZEH「グリーンファースト ゼロ」は、関東以南の住宅でも北東北エリアに匹敵する「高断熱」仕様。ワンランク上の断熱性能で温度差を抑え、ヒートショックなどの健康被害を予防します。この高い断熱性を実現しているのが、同社オリジナルのSAJサッシ。アルミと樹脂を組み合わせた熱を伝えにくい構造でアルミ系サッシにおいて、業界No.1の断熱性を誇ります。同社は「グリーンファースト ゼロ」の取り組みが評価され「平成28年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞しました。
ご家族の思いに応える、デザインの自由度
太陽光発電を搭載するZEHは画一的な外観になりがちでは?と思われるかもしれません。そこで住友林業では、熱伝導率の低い「木」に高性能の断熱材を組み合わせた「グリーンスマート」を提案しています。木の家の魅力は、多彩な外観を自由にデザインできる設計力の高さ。夏は深い軒や庭の樹木などで日差しや道路の照り返しを遮りつつ、住まいに風の通り道をつくり、涼しく、冬は太陽の光がたっぷり入るように南面に大きな窓を配置する「涼温房」という手法で、自然の力を生かしつつエネルギー効率を高める独自の設計を行っています。さらに同社の太陽光発電システムとエネファームのW発電を導入することで、より経済的な毎日を送ることができます。
これからのZEHに求められることは
ミサワホームが、1998年に世界で初めて「ゼロ・エネルギー住宅 HYBRIDーZ」を発売してから約20年。今やZEHがスタンダードの時代となりつつあります。そんな中、先駆者であるミサワホームは、その性能を維持しやすい構造と仕組みこそが大切であると考えています。独自の木質パネル接着工法は外部からの力を面全体で分散して受け止めるため、地震などの揺れに強く、建物の変形量を鉄骨ブレース構造の8分の1に抑えることができます。こうした強い構造に絶対の自信を持つ同社では、構造の初期保証を住宅業界最長レベルの30年に設定しています。
住まいは一生の宝、家計にも地球にもやさしく快適に暮らせるZEHをハウスメーカー各社と一緒に考えてみませんか?